卒業生インタビュー

2017.05.12

坂口 碧衣さん

◆理学療法学科2012年卒(県立広島商業高校出身)

◆勤務先
広島シーサイド病院
訪問看護ステーション 理学療法士

Q1.訪問リハビリテーションのお仕事について教えてください。

 リハビリテーションが必要な方の多くは、急性期に治療を行い、回復期に身体機能の回復を図ります。しかし、急性期・回復期ともにリハビリを行う機関が決まっているため、時期が来れば退院されます。退院後、自宅で生活を再開される方もいれば、介護施設に入所される方もおられます。私の担当は、自宅で生活されている方へのサポートとアドバイスですが、これが大変なんです。なぜなら、基本的に一人で訪問するため、患者様から「何でも知っている専門の人」と見られるからです。もちろん理学療法士として指導に当たりますが、健康面のことなど幅広く質問されます。なるべくその場で答えることで、患者様は安心されますし、頼れる人としての信頼度も高まります。

Q2.専門外の知識はどのようにして身につけますか?

 栄養や薬のことなど専門外のことは、栄養士さんや薬剤師さんに直接聞いたりして一通り勉強しています。しかし、訪問リハビリを担当した当初は自分の専門分野のことで精一杯でした。当然、他分野の知識がすぐに役立つわけでなく、その場で答えられないことは宿題として持ち帰りました。一日に数件を回り、夕方病院に帰ってから栄養士さんなどに教わり、次の訪問の際に患者様に伝えていました。”患者様の不安な気持ちに応えたい!”と勉強を続けるうちに知識が身に付き、今では適切なアドバイスができるようになりました。自信をもってアドバイスをすることで、患者様も安心されると思います。

Q3.訪問リハビリテーションで感じるやりがいは?

 就職して2年間は病棟での勤務でした。その後、訪問リハビリの担当となり、約3年が経ちます。病棟では患者様と一対一で向き合って訓練することが多いのですが、訪問リハビリでは患者様のご家族との接点も多くなります。それだけ患者様の環境に入り込み、一人ひとりの生活に深くかかわることになります。各患者様の生活環境に合わせた運動メニューを作りますが、ご家族にも患者様をサポートするためのアドバイスを行います。専門外のことにもしっかりと耳を傾け、いろいろな情報をもとに患者様に合った訓練を考えます。それだけ患者様への思い入れも強くなります。訓練の結果、患者様が少しでも快適な生活を送れるようになってくださることが一番のやりがいです。

Q4.仕事をする上で最も大切にしていることは何ですか?

 当然のことですが、やはり「信頼関係」です。患者様との信頼関係を築くためにどこまでできるか、リハビリテーションの専門職として関わっているのでいい加減なことはできません。私のひと言が患者様の生活や人生にもつながっていきますから、患者様とは常に真剣に向き合うようにしています。その中で自然に生まれてくるお互いへの「思い」が信頼関係につながると考えています。

Q5.患者様の思いに応えるために取り組んでいることは?

 一つは、リハビリテーションのスタッフで行うミーティングです。日々の報告はもちろんですが、お互いの悩みを共有し、みんなで課題について話し合い、解決方法を考えます。経験豊富な先輩が現場のことやスタッフ同士の連携についてアドバイスしてくれます。自分の担当外のことも知識として吸収できるので、いざという時の対応が柔軟になります。二つ目は、自分自身を高めることです。学生時代の教科書を見直したり、外部で行われる勉強会に出席したりしています。

Q6.今でも学生時代の同級生や先生とつながっていますか?

 仕事が忙しいので頻繁に会うということはないですが、たまには同級生とも会っています。私の勤務する広島シーサイド病院にはリハビリテーションカレッジ島根の卒業生がたくさん勤務しており、空き時間などに話す機会もありますし、相談しあったりもしています。先輩・後輩・同級生のなかが良いのはリハビリテーションカレッジ島根の特長でもあると思います。悩んでいたら友人や先生方がアドバイスをしてくれる、それが自然にできる環境なんです。お互いを思いやる気持ちが自然に身についているのだと思います。

Q7.これからリハビリテーション分野をめざす高校生にひと言

 ”患者様がよりよい生活を送れるように関わっていきたい”ということが私のずっと変わらない気持ちです。そのためにスキルアップは欠かせないので、その一つとして「呼吸療法認定士」や「ケアマネージャー」の勉強もしています。勉強は学生時代から得意ではありませんでしたが、苦手科目を克服してきた経験を生かして頑張っています(笑) これから理学療法士や作業療法士・言語聴覚士をめざす皆さんにも国家試験に合格するという大きな目標がありますが、先生や周りの友人と協力すれば必ず乗り越えることができます。諦めずに目標に向かって突き進んでください。

2017.05.12

栗栖 祐子さん

◆作業療法学科2014年卒(広陵高校出身)

Q1.現在の仕事内容について教えてください。

 リハビリテーションには急性期と回復期がありますが、私は入院後1ヶ月~3ヶ月の急性期の患者様を担当しています。まずは、ベッドで身体を起こしたり、ご飯を食べたりといった日常の簡単な動作ができるようにリハビリをしますが、できるようになって喜ばれる姿を見るのが何よりもうれしいです。患者様のなかにはリハビリが予定通りに進まず、かんしゃくを起こされる方もいます。そんな時は、なるべく患者様の気持ちに寄り添うように努めています。

Q2.どんな時にやりがいを感じますか?

 患者様が笑顔で私に手を振ってくださったりすると、「今日も頑張ろう!」とモチベーションも上がります。また、退院された患者様が、「元気にしてる?」とわざわざ私の顔を見に来てくださることもあります。患者様の笑顔が最高のやりがいです。

Q3.リハビリテーションを行うにあたり、心がけていることはどんなことですか?

 笑顔で患者様に接すること、そしてなるべく患者様のお名前を呼びながらリハビリをすることを心がけています。この仕事は人対人。スムーズなリハビリには患者様とのコミュニケーションが不可欠です。患者様と心を通わせるために、出勤前にニュースで情報を仕入れたりして、何気ない会話の中で緊張をほぐすなどの努力をしています。患者様が意欲的にリハビリに取り組んでくださる場合はとても回復が早いのですが、苦痛をを伴うことも多く、中にはリハビリを嫌がる患者様もおられます。一人ひとりの様子を見ながら、いかにやる気を出していただくかも私たちの役目だと思っています。

Q4.普段から工夫している点はありますか?

 先輩から「リハビリは一対一だけでなく集団でもできるよ」とアドバイスをいただき、他のスタッフも一緒にラジオ体操をしたり、患者様同士の風船バレーを始めたりしました。患者様も、みんなで一緒にすることが楽しいようで、毎日同じ時間に組み込むことで生活リズムもできました。楽しい時間を過ごしておられる姿を見ると、私も幸せな気持ちになります。あとは、自分のスキルを上げるために、院内や県外での勉強会にも積極的に参加しています。介助の仕方一つとっても、ちょっとしたコツで患者様がスムーズに動けたりします。日々勉強の毎日です。

Q5.患者様にかけられた言葉で心に残っていることはありますか?

 急性期のリハビリをした後、患者様は回復期のリハビリに移られます。そのときに「最後まであなたが担当だったら良かったな」と言ってくださったことがあり、本当にうれしかったです。この仕事は責任が重く、正直大変だなと思うこともあります。けれど、患者様と同じ目標に向かって一緒に頑張れるとてもやりがいのある仕事です。これからも患者様とはもちろん、ご家族との信頼関係も築きながら、身体だけでなく精神面もしっかりサポートできるように頑張っていきたいです。

Q6.リハビリの世界に進んだきっかけは何ですか?

 もともと看護の仕事がしたかったのですが、高校の担任の先生に勧められてリハビリテーションカレッジ島根のオープンキャンパスに参加したのがきっかけです。リハビリの仕事の魅力はもちろん、アットホームな雰囲気も決め手になりました。奨学金制度も充実していて本当に助かりました。

Q7.学生生活はいかがでしたか?

 都会のように周辺に遊ぶところが多くないので、勉強に打ち込めたのもよかったと思います。私は学校の近くの学生アパートを借りていましたが、友達と食事を作ったり、一緒にお酒を飲んだり、楽しい思い出がたくさんできました。地域での交流も盛んで、そこで年代の違う方と話す機会が生まれ、コミュニケーション能力も身についたと思います。学園祭や球技大会などイベントも多く、クラスの団結も強くなりました。

Q8.実習はどうでしたか?

 心に残っているのが2年生の時の解剖実習。島根大学医学部にいて、実際に解剖している様子を見学するのですが、実際に目で見ることで人体の構造がイメージしやすくなりました。3年生の時に合計6週間、4年生の時に合計18週間の臨床実習がありますが、いろいろな経験をしたことで知識や度胸が身に付いたのだと今になって思います。リハビリの計画を立てるときに、学校の授業で使った教科書や資料を参考にすることもよくあります。後輩には、「教科書は卒業後も大切に!」と言っておきたいですね。

Q9.国家試験の勉強は大変でしたか?

 すごく大変でした! 国家試験が近づくと、夜9時まで学校に残って勉強できるのですが、先生が必ず一緒に残って指導してくださり、とても感謝しています。私は模擬試験になると普段の力が出せず、点数が悪かったんです。落ち込むこともよくありましたが、めげずに乗り越えられたのは先生が「次の模擬試験で200点を超えたらご馳走してやる」などと、いつもやる気を引き出す工夫をしてくださったからだと思います。国家試験に合格した時は本当にうれしかったですね。

Q10.社会人になるまでにしておいたほうが良いと思うことは何ですか?

 いろいろなことに挑戦し、しっかり遊ぶこと。社会人になるとなかなかプライベートな時間がとれません。やりたいことは学生時代に挑戦しておきましょう。あと解剖学と生理学はしっかり勉強しておくこと。リハビリ計画を立てるときに、頭に入っているといないとでは全然違います。学校で学ぶことは必ず自分の将来につながるので、手を抜かず頑張ってください。

2017.05.12

尾中 竜輝さん

◆理学療法学科2011年卒(広島県立廿日市西高校出身)

◆勤務先
西広島リハビリテーション病院
リハビリテーション部 理学療法士 


Q1.ケガで将来の進路を変更したと伺いましたが?

 子どもの頃からずっと野球少年で、将来は野球選手になりたいと考えていました(笑) 高校時代もレギュラーで、特に進路は意識していませんでしたが、2年生の時に肩を壊してしまい、そのままレギュラーに復帰できず、具体的に進路を考えるようになりました。そんな時、リハビリテーションを受けていた先生と話をする中で、なんとなく医療の分野に関心を持つようになり、今考えると、それがきっかけだったかなと思います。

Q2.現在の理学療法士としての仕事を教えてください。

 西広島リハビリテーション病院は、回復期病院、つまり脳卒中を発症された方や関節などの手術を受けた方の回復を担う病院です。私は理学療法士として、こうした方の症状の回復と自宅復帰をサポートしています。疾患の種類によって入院期間が60日・90日・150日と決まっており、限られた期間内に自宅での生活が可能な状態になるように訓練を行います。訓練のプログラムは担当する理学療法士が作成しますが、疾患の種類や程度を考慮して一人ひとりに合ったものを考えます。そして、もう一つ重要なことは「退院後は自宅で生活をする」という視点を持つこと。リハビリテーションは単に体の機能を回復させるのではなく、実生活に必要な動作ができるようにしなくてはなりません。そのために自宅に伺い、どんな動作が必要かをチェックするのも理学療法士の仕事です。

Q3.リハビリテーションで大切なのは「心」のケアと伺いましたが?

 「できていたこと」が「できなくなる」ことは本当につらいことです。そして、リハビリテーションでは「できないこと」を訓練することが多い。だから患者様もつらいという思いが強くなっています。つらくても本当の気持ちを私たち理学療法士をはじめ、スタッフに言えない方も多くおられます。ですから、訓練をするときは疾患を見るだけではなく、患者様の気持ちに寄り添うことを大切にしています。

Q4.記憶に残っている患者様はいますか?

 脳卒中を発症された後、重度の片マヒ(身体の半分がマヒした状態)になられた患者様ですね。ベッドでの生活が長く手足がほとんど動かない方でした。失語症も併発されていてコミュニケーションをとることも難しく、患者様ご本人も苦しい思いをされていたと思います。入院期間中にどこまでできるか不安がありましたが、患者様には気づかれないよう「できること」を一つ一つ増やしていきました。私の指導に対するリアクションやちょっとした表情の変化を見落とさないようにして、体や気持ちの状態に合わせて患者様と一緒に訓練を続けました。現在は自宅復帰し、ご夫婦で暮らしておられます。諦めずに着実な一歩を積み重ねることで、患者様のより良い人生に役立ったのではないかと感じています。

Q5.西広島リハビリテーション病院では機器や装具が充実していますね。

 特に歩行訓練に使用する設備が自慢です。一つはロボットを応用したもので、本田技研研究所と本院が共同で研究した「HONDA歩行アシスト」による歩行訓練。最新技術による充実した訓練を提供することで、今まで以上に患者様のお役に立てる理学療法が可能になると思います。また、足の装具も充実しています。足首など関節の動きをサポートするもので、これも歩く動作を補助します。数十種類あり、患者様の足の動きや大きさに合わせて最適なものを選びます。これからも経験を積んでいき、多くの患者様のお手伝いをしていきたいです。

Q6.患者様に寄り添う尾中さんの理学療法士としての原点は何ですか。

 やはりリハビリテーションカレッジ島根での経験です。私自身がリハビリテーションによってケガから回復し、リハビリテーションカレッジ島根で好きな野球を続けることができ、全国制覇も体験しました。また、先生方の温かい指導、同じ目標に向かって学んできた仲間からの「おまえならできる!」という励ましの言葉など、理学療法士として患者様と向き合う姿勢を養うことができました。

Q7.最後に、リハビリテーションの仕事をめざす人たちにエールをお願いします。

 リハビリテーションカレッジ島根の4年間で学ぶことは、就職してからの基礎がギュッと凝縮されています。知識や技術だけではない部分、特に先生方や仲間たち、そして地域の皆様と触れ合う時間も大切にしてください。リハビリテーションは人と向き合うことから始まります。そのうえで知識や技術が生かされます。人に感謝される素晴らしい仕事です。一緒に働ける日を楽しみにしています。

2017.05.11

安清 希歩美さん

◆理学療法学科2011年卒(広島県立可部高校出身)

◆勤務先
医療法人 メディカルパーク 野村病院
リハビリテーション科 理学療法士

Q1.よく聞く「ケアミックス」とは何ですか?

 私の勤める野村病院は、一般病棟と療養を併設するケアミックスを実践しています。わかりにくいと思いますが、治療して状態が安定すると、一般的にはその後のケアは別の病院(回復サポートを主とする病院)に移ります。ケアミックスでは両方をサポートできるため、転院せずに治療に専念できます。そのため、早くから患者様と関わることができ、一人ひとりの状態が把握しやすく、より深く患者様に向き合ったリハビリテーションを提供できます。

Q2.深く向き合うことのメリットについて教えてください。

 私は理学療法士としてリハビリテーションに携わっています。リハビリテーションの最終目標は、患者様が住み慣れた自宅に戻り、今までのように生活できること。そのためには、入院してからの状態と退院後に目指す生活を把握する必要があります。リハビリテーションでは、その二つの差をできるだけ小さくするための訓練を行います。たとえば自宅が二階建てで、階段をよく使う方であれば、階段を安全に上り下りできるように訓練する必要があります。生活は動作の連続なので、何ができて何ができないのか、どこまでならできるのかを的確に評価しなければ、患者様一人ひとりに合ったプログラムは作れません。患者様自身も訓練を通して、少しでも回復することを望んでおあらrますし、回復を実感することで喜びやその後の意欲にもつながります。

Q3.リハビリテーションで心がけていることは?

 医療分野に関わっていると、どうしても病気や障害に目が行きがちになります。リハビリテーションであれば身体機能を回復させることになりますが、それだけではだめだと考えています。もし自分の家族だったら、大切な人だったら、機械的なケアをされてもうれしくないですよね。だから、患者様は皆さん家族だと考えて接するようにしています。身近な話題で笑ったり、お互いの報告をしたり、自然と深く向き合えるようになって、「実はこんなことがしたい」という本心も話してくださるようになります。目標が分かれば二人三脚、家族の方を合わせれば三人四脚で、力を合わせて向かっていけると思います。

Q4.目標は必ず達成できるのですか?

 「はい」と言いたいところですが、実際はリハビリテーションをしたから必ず以前のように回復するというものではありません。一人ひとりの障害の程度や体力・筋力・気持にも大きく左右されるので、一つの方法だけでなくいろいろなアプローチをしていきます。少しでも回復が見られると「できたね」と声掛けをしたり、先輩に聞いて今まで取り組んでいなかったプログラムを行ってみることもあります。リハビリテーションが行える期間も決まっているので、退院までに回復が見込めないときは、訪問リハビリなどのサービスの利用や自宅に手すりを付けることのアドバイスなどもしています。

Q5.安清さんの思いやりの深さはどのように身に付けましたか?

 私自身、人が好きということもありますが、最も影響を受けたのはリハビリテーションカレッジ島根で過ごした4年間だと思います。先生にしても同級生や先輩にしても、悩みや不安などをお互い自分のことのように考えてくれるんです。思いやることで真剣に向き合い、アドバイスしたり、時には厳しく指摘し合ったり。だから自然に自分のスタイルとして身に付いたのだと思います。また、国家試験のことで先生に相談すると、私が分らないところを理解しておられて、分りやすく説明してくださったり、個人面談の際には勉強のことはもちろん私生活のことも相談に乗ってくださったり(笑)、患者様と会話するという姿勢が身に着いたのは先生方のおかげかもしれません。

Q6.この仕事のやりがいや楽しさは何ですか?

 担当する患者様一人ひとりに合ったリハビリを提供し、患者様が回復を実感されたときですね。家族同様の患者様が元気になられる姿を見ることは本当にうれしいですし、どんな時も手を取り合ってきたからこそ感じられることだと思います。喜びを身近で共有できる仕事なんて本当に素敵だと思います。

Q7.リハビリテーションカレッジ島根の良さを教えてください。

 オープンキャンパスですぐに感じたことは先生方や先輩方の雰囲気の良さ。実際に勉強している姿がとても楽しそうで、皆さん輝いて見えました。こんな雰囲気の学校なら通いたい、こんなに輝いてみたいと感じました。学校の周囲には遊ぶ場所は少ないですが、だからこそ、休日はもちろん講義の合間や放課後など友人と過ごす時間は長く、友人との絆も深くなりました。また、卒業してから実感するのは実習が充実していること。いろいろな実習先でリハビリテーションカレッジ島根の卒業生が活躍していて、実習中も相談しやすく安心だったこと。今は実習生を受け入れる立場なので、私が感じた安心を後輩たちに届けたいですね。そして、いつか同じ場所で、同じ目標に向かって頑張れたらすてきだなと思います。

2017.05.11

猪原 雄介さん

◆言語聴覚学科2014年卒(崇徳高校出身)

◆勤務先
地方独立行政法人 広島市立病院機構
広島市立リハビリテーション病院
リハビリテーション科 言語聴覚士

Q1.現在の仕事内容について教えてください。

 リハビリテーションが必要になる原因は病気や事故など様々ですが、私の場合は主に脳卒中の後遺症で話すことや食べることが困難になった患者様を対象にしています。主として回復期の患者様が対象であり、自立した日常生活が目標となります。もちろん、多くの場合、食べる・話すといった機能が完全に回復するわけではないので、携帯アプリを使って意思を伝えるような、代わりとなる方法を訓練に取り入れることもあります。理学療法・作業療法などのリハビリテーションに比べて新しい分野なので、過去の事例を踏まえて自分たちで試行錯誤しながら訓練方法を考えたりもしています。

Q2.どんな訓練方法があるか教えてください。

 言語聴覚の訓練は動きが少ないので疲れにくいと思われがちですが、患者様からすると、「頭を使って考える」そして「行動する」という流れになるので気持ち的には理学療法や作業療法よりも疲れるようです。だから「やりたくない」という気持ちにもなりやすいのです。自立していただくことが目標なので訓練は行いますが、いろいろな工夫もしています。実際に取り組んだ事例としては、集中力を高めることを目標にゲーム機を使って、患者様の好きなテニスのゲームをしたことがあります。ほかの訓練にも集中力は活かせますし、ゲームなら自宅に帰ってからでも継続して取り組んでいただけます。入院中は私たちがそばにいるので無理にでも訓練ができますが、帰宅してからも自主的に訓練を継続していただく必要があるのでこのような工夫をしています。

Q3.患者様の回復は、どうやって判断していますか?

 どのリハビリテーションでも難しいのが「評価」だと思います。基本的に私たちが実施する検査は「点数」によって評価されるものが多く、その点数で機能の向上や低下を判断します。検査の時にたまたま出来ただけということも考えられますので、いろいろな検査をしています。しかし、一番大切なことは「会話した時の様子」や「普段の過ごし方」からも判断していくことです。健康な人でも得手・不得手があるように、患者様にも簡単にできることとなかなかできないことがあります。いろいろな視点から観察し、そこから得られる情報が多いほど判断も容易になります。だからこそ、患者様に寄り添っていかなければならないと感じています。

Q4.患者様とのエピソードで印象的なことはありますか?

 大変だったこととしては、自分が健常だと思っておられる方が入院されたことです。障害を持ったことを認めたくない気持ちが強いので、話を聞いてくださらないのです。ついには怒り出して訓練どころではなくなります。ですから、訓練・訓練というのではなく、ご近所同士で話をするような感じで距離を詰めていきます。基本的には、皆さん話を聞いて欲しいと思っておられるようです。
嬉しかったこととしては、入院された時は話すことも食事をすることも難しかった患者様が、訓練を終えて退院する3日前に手紙を書いてくださったことです。「ありがとう」と言って手紙を渡されると、大変だったことも吹き飛んでしまいました(笑)

Q5.リハビリテーションで大切なことは何だと思いますか?

 近年よく言われていますが「チーム医療」です。特に理学療法士・作業療法士とは密接に連携していく必要があります。人間の行動は一つの動作だけで成立していません。「食べる」ことを例にとっても、まずは椅子などに座ります。この姿勢を保つためには理学療法の訓練が必要です。箸やスプーンを持つ動作もあり、それを上手に動かし食べ物を落とさないように口まで運んでくることも必要です。これらの動作は作業療法の領域になります。出来ること、出来ないことを把握して適切な訓練をしなければよい結果は出ません。逆に、私たち言語聴覚士から話しかけ方や伝え方をアドバイスすることもあります。連携を密にするために、月に1回は担当者が集まってカンファレンスも行います。新しい発見があれば、その日のうちにメールなどで情報共有することも日常的に行われています。

Q6.そもそもリハビリテーションに興味を持ったきっかけは何ですか?

 高校卒業後スポーツ系の専門学校で学び、そして就職しました。でも何か物足りなく感じ始めて、もう一度進むべき道を考えたとき、知り合いの方が「リハビリテーションカレッジ島根」のことを教えてくださいました。ここなら国家資格が取得できるし、リハビリテーションはこれからますます必要になる分野だと聞き、オープンキャンパスに参加してみました。その時、聞き慣れない「言語聴覚士」という職種を知りました。リハビリテーションのなかでも新しい分野を学んでみたいと思ったのが言語聴覚士をめざしたきっかけです。

Q7.「リハビリテーションカレッジ島根」での4年間で得たことは何ですか?

 私は人見知りな性格で、積極的に人と話すのは苦手なほうでした。もちろん、今では患者様や同僚と話すことに苦手意識はありません。学校の先生が気さくな方ばかりで、すぐに相談に乗ってくださいますし、実習などでうまくいかずに落ち込んでいた時などはさりげなく励ましてくださいます。「リハビリテーションカレッジ島根」でのいろいろな経験を通じて変わっていけました。本当に感謝しています。入院してこられる患者様一人ひとりに柔軟に対応できるのも、学生時代にこうした経験ができたからだと思います。

2017.05.01

山下 和樹さん

◆理学療法学科2008年卒(広陵高校出身)

◆勤務先
医療法人社団 明和会 大野浦病院
リハビリテーション部 理学療法士

Q1.現在の仕事内容について教えてください。

 急性期病院での治療を終え、継続して身体能力の改善が必要な方のリハビリテーションを担当しています。前の病院での取り組みもある程度はわかりますが、まずは患者様の”今”の状態を確認します。例えば、筋力はどの程度残っているか、関節はどのくらい動かすことができるかなど、主に触診によって評価していきます。患者様と関わる時間は限られています。だからこそ、その時にできる最善の訓練や指導をしていきたいですね。そして、チームアプローチによって総合的に患者様を支えることが大切。そのためには、知識・技術はもとより色々な方との接し方も身につける必要があります。患者様が退院される直前まで、身体能力を上げられるように、日々取り組んでいます。

Q2.信頼されている実感はありますか?

 入院される方は比較的年齢が高く、中には認知症を患っていらっしゃる方もいらっしゃいます。すぐにコミュニケーションがとれるわけではありませんが、ちょっとしたことにも傾聴することで少しずつ積み上げていくようにしています。その中で、表情が柔らかくなったり、会話が増えてきたりしたときに信頼していただけるようになったかなと感じますね。また、退院した患者様が自分のことを覚えていてくださって、わざわざ来てくださることもあります。このような瞬間、信頼されているのかなと実感することができます。

Q3.前向きな方ばかりではないと思いますが、どう対処されていますか?

 もちろん、訓練を拒否される方もいらっしゃいます。でも、諦めることはできませんから、どうしたら患者様との心の距離を縮めることができるかを考えながら取り組みます。例えば、声かけひとつでも、わかりやすく伝えることを意識しながら取り組んでいます。大きな声でゆっくり話すことは当然ですが、わかりやすいというのは、これからどんな訓練をするかを明確に伝えることなんです。「3日後に車椅子から杖に変えますね」「だから立ち上がるための訓練をしますよ」というふうに目的をはっきり伝えます。身近な目標があることで、次第に自分から取り組むようになっていただけます。

Q4.理学療法士として常に心がけていることはありますか?

 リハビリテーションを必要として患者様は来院されます。でも、私たち理学療法士だけで患者様を改善へと導くわけではありません。健康面や医療面を診るドクター、日常のお世話をする看護師や介護スタッフ、もちろん同じ理学療法士や作業療法士も連携して改善への道を作っていくんです。そのために自分が何を行うべきか、どんな情報を他のスタッフに伝えるべきかを理解することも大切です。こうしたチームアプローチを行うにあたり、月1回のカンファレンスや、時間のある時にはスタッフ同士が自主的にミーティングをするなどして、日頃から情報交換をしています。

Q5.この仕事で難しいところはどんなところですか?

 患者様の訓練は、長ければ3ヶ月のプログラムを計画しますが、これはプログラムの中でも最長で、症状も複雑であったり重度であったりします。こうした患者様の場合、症状が改善する時期もそれぞれ異なりますし、「できた」といえる状態を判断することが難しくなります。また訓練の時に「できた」からといって、常に「できる」状態かどうかは分りません。健常者でもちょっとしたことで転んでケガをしますが、患者様の場合はちょっとしたケガでは済みません。それだけ判断をする責任があり、難しいところだと思います。

Q6.この仕事に必要なものは何だと思いますか?

 「積極性」だと思います。いろいろな経験をする中でたくさんの疑問にもぶつかります。そんな時、なんとなく過ごしてしまっては自分のためになりませんし、関わる患者様のためにもなりません。学生時代に実習で学んだ症状とは異なった症状の患者様が入院されました。単に骨折後のリハビリテーションと言っても、教科書と骨折箇所が異なるだけでもどうしていいかわからなくなります。でも、そんな時こそチャンスです。わからないなりに自分の考えを伝え、先輩に意見を求めることで、一つの経験を通して多くのことを学ぶことができます。

Q7.学生時代に力を入れておいたほうがいいことはありますか?

 学校周辺は自然に囲まれて、言ってみれば勉強する以外ない!という環境です(笑) 。でもこれが良かったんです。月並みですが、勉強に集中できますし、自然に同級生や先輩、先生方と関わっていけます。関わっていくといろいろなことが起こりますが、真剣に人と向き合うきっかけにもなるんです。就職してから上司や先輩・患者様と接するうえで必要な人間性が身に付いたと思います。勉強面では、「運動学」はしっかり勉強しておいたほうがいいですよ。臨床に出てから活かせる内容が凝縮されています。

Q8.将来の目標について教えてください。

 就職したばかりの頃は、先輩の理学療法士がつきっきりで指導してくださいました。患者様の人生に関わる仕事ですから、当然先輩の指導も厳しい時がありましたが、だからこそ今の自分があります。今は新人を指導する立場になりました。早く一人前の理学療法士として歩んでもらえるように、自分の経験を伝え、頼れる先輩として自分自身のスキルアップもめざしていきたいと思います。

2017.05.01

山本 早弥香さん

◆作業療法学科2014年卒(石見智翠館高校出身)

◆勤務先
独立行政法人 国立病院機構
浜田医療センター 作業療法士

 Q1.現在の仕事内容について教えてください。

 リハビリには、入院後1週間くらいまでの時期に行う「急性期」のリハビリと社会復帰・在宅復帰を目指した「回復期」のリハビリの2種類がありますが、私は「回復期」のリハビリに携わっています。現在は整形外科や脳神経外科の患者様がメイン。ベッドの上での寝返りや起きる練習、ズボンや靴下の着脱、トイレや入浴といった日常の動作が退院後にスムーズにできるようにリハビリをするのが仕事です。実際に患者様のご自宅に伺い、お風呂や階段の手すりの位置などについてアドバイスすることもあります。同じ病院に「リハビリテーションカレッジ島根」の卒業生がたくさんいるので心強いですね。

Q2.どんなときにやりがいを感じますか?

 患者様にとってリハビリは、肉体的にはもちろん、精神的にきついことも多いですが、できたときの喜びは人一倍。その喜びを一緒に分かち合える素晴らしい仕事だなと思います。たまに退院された患者様が、検診で病院に来られた時にリハビリ室に顔を出してくださることも。退院されてからの様子をいろいろ話してくださるのですが、「おかげさまで元気でやっていますよ」と声をかけられると本当に嬉しいですね。

Q3.リハビリテーションを行うにあたり、心がけていることはなんですか?

 大切にしているのは患者様とのコミュニケーション。回復期は1ヶ月~半年程度入院される方が多く、ゆっくりとリハビリをしていきます。目先のことではなく、患者様の退院後の生活を視野に入れて治療計画を立てなくてはいけないのですが、患者様の生活をイメージするのにコミュニケーションは不可欠です。患者様の症状も一人ひとり違うので、臨機応変に対応しながら、理学療法士や看護師の方とも連携しながら治療を行っています。普段の何気ない会話で患者様との距離がグッと近づくとリハビリ効果がとても上がるんです。患者様の笑顔をなるべく引き出せるように日々努力しています。

Q4.いろいろな工夫がすべて成果につながっていますか?

 ケガの程度によっては、リハビリをしたからといって必ず良くなるという保障はありません。特に、患者様やご家族が「ここまで回復したい」とハッキリとした目標をもって頑張っていらっしゃって、なかなか成果が出ないときには私もとても悔しいし、患者様にかける言葉が見つからないこともあります。そんな時は自分一人で背負い込まず、先輩に相談してアドバイスをもらうようにしています。相談するとき心がけているのは、「私はこう考えているのですが、どう思われますか?」と自分の見解をまとめておくこと。自分なりの意見を考えておくことで、問題点も明白になり、解決につながりやすくなっているような気がします。

Q5.患者様にかけられた言葉で心に残っていることはありますか?

 以前、退院された患者様から「元気がないよ、笑顔、笑顔。愛嬌は必要だよ」と言われたことがあったんです。ああ、そうだなと素直に思うことができ、患者様から笑顔の大切さを教えていただきました。また、あるとき別の患者様と些細なことで口喧嘩になりそうになって落ち込んでいたのですが、先輩から「口喧嘩できるぐらいに仲良くなったってこと。患者様にとっても良かった」と言っていただきホッとしました。家族のように信頼してもらえる関係を築けるように、これからも頑張りたいですね。

Q6.勤務形態はどのような感じですか?

 8時15分始業で、17時にはリハビリが終わります。それからパソコンで電子カルテに入力したりしていると帰りが20時を過ぎることも多いです。もっと技術や知識を身に付けたいという思いから、院内で行われる作業療法士の勉強会や外部の勉強会には積極的に参加しています。院内の勉強会は昼の休憩時間に行われていますが、テーマを決めて発表するのでとても勉強になります。休日を利用して、月に一度、友達と大好きな温泉に出かけるのが最大の楽しみ。広島までショッピングに行ったり、同期の人達と食事に行ったりすることで、ストレスを発散させています。

Q7.リハビリテーションの世界に進んだきっかけは何ですか?

 最初は全く考えていませんでした。高校の担任の先生に作業療法士の仕事について教えてもらったのが興味を持ったきっかけです。いろいろ調べて「リハビリテーションカレッジ島根」のオープンキャンパスに参加。先生と学生の仲がとても良いことと、カリキュラムに魅力を感じて入学しました。自宅から通えるのも決め手になりましたね。

Q8.学生生活はいかがでしたか?

 バスケットボールや吹奏楽など、たくさんのサークルに掛け持ちで入っていたんです。サークル活動は楽しいし、先輩方といろいろな話をする機会ができたことが一番良かったなと思います。心に残っているのは、車椅子を使った実習。学校から駅まで実際に車椅子を使う実習だったのですが、車椅子ってこんなに大変なんだとびっくり。あの経験があるからこそ、患者様の辛い気持ちが理解できるようになりました。

Q9.実習先の先生に言われたことで今も役立っていることはありますか?

 実習先の担当の先生に「ケガや病気の人の心にもっと寄り添った方がいい」と言われたこと。コミュニケーションがとりづらい患者様と接するときには、その言葉を思い出して積極的に関わるように心がけています。

Q10.国家試験の勉強は大変でしたか?

 大変でした。友達と励まし合えたから乗り切れたと思います。国家試験は過去問をひたすら解くことが大切。それと、基礎はしっかりやっておいた方がいいですよ。先生には、学生一人ひとりに親身になって教えていただき、本当に感謝しています。

Q11.社会人になるまでにやっておいた方がいいと思うことは何ですか?

 アルバイトはできればしておいた方がいいと思います。私は水族館「アクアス」でソフトクリームの販売をしていたのですが、人に対する気配りや敬語の使い方などをしっかり身に付けることができました。また、お客様が次に何をしたいのかなど先を見越す力も養たのではないかと思います。アルバイトでは幅広い年代の方と接することも多く、その経験は必ず実践で役立つと思いますよ。

2017.05.01

白井 梨櫻さん

_Z2A1327編集済

◆言語聴覚学科2012年卒(湯来南高校出身)

◆勤務先
医療法人和同会 広島グリーンヒル病院
リハビリテーション科 言語聴覚士

Q1.言語聴覚士ってどんな仕事ですか?

 リハビリテーションは大きく分けて、身体の機能向上を目指す「理学療法士」、日常動作の回復を目指す「作業療法士」、話すこと・食べることの機能回復を目指す「言語聴覚士」が担っています。
私は「言語聴覚士」として、言葉を認識して声に出すための訓練や食事をする時の筋肉の動かし方の指導をしています。また、脳梗塞や脳卒中の後遺症で、口や喉をうまく動かすことができない構音障害や見た物が認識できても言葉にできない失語症をお持ちの患者様の機能回復と維持を担っています。

Q2.具体的にはどんな指導をするのですか?

 失語症の患者様に対しては、カードに書かれた内容を患者様が読み、目の前に並べられた物の中から選んで持つといった訓練をしています。程度にもよりますが、文章が少し複雑になると理解することが難しくなってきます。
例えば「歯ブラシと鉛筆を持ってください。」という比較的簡単なことは理解し実行できても、「歯ブラシと鉛筆を左手に持って、右手で消しゴムを持ってください。」と複雑になると理解できなくなってしまいます。個人差が大きいので、指導前の検査に基づいてプログラムを作り、患者様に合った訓練を行っています。

Q3.機能的な障害についてはどのような指導をしますか?

 例えば嚥下(えんげ)障害という、「飲み込む動作」が困難になる機能的な障害があります。患者様の多くは「生きているうちは、自分の口から食べたい」とおっしゃいます。栄養を取ることだけ考えれば、流動食で対応できますが、料理を自分で食べて味わっていただけるように、飲み込みに必要な筋肉の運動訓練をしたり、飲み込む時の首の角度を調整したりしています。以前できていたことができないつらさを身近で見ていると、何とかしてあげたいという気持ちになります。ですから、障害の部分だけでなく、患者様のライフスタイルまで考えて指導するように心がけています。

Q4.どんな時にやりがいを感じますか?

 言語障害といっても、機能的な障害なのか、脳障害に関連するのか、またそれぞれの障害の程度も異なりますから、患者様に合った訓練プログラムや、コミュニケーション方法を見出すことから始まります。しかし、患者様の中にはリハビリテーションに対して否定的な方もいらっしゃいます。必ず回復するとは言いきれませんから、好きなことを指導の中に入れるなど少しでもやる気が出るように工夫しています。
例えば、運動をしたり、プチトマトの観察日記をつけたり、「訓練ではなく、楽しんでいただく」ことを大切に指導にあたっています。
先日のことですが、私が担当している患者様の病棟の看護師さんから「患者様の発語が増え、コミュニケーションが取りやすくなった」と意見をいただきました。最初は嫌がっていた方ですが、自分の仕事が患者様のお役に立っていると実感でき、とてもやりがいを感じました。

Q5.指導の際にどんなことに気を付けていますか?

 言語聴覚に障害をお持ちの方はコミュニケーションを取ることが難しい面があります。でもそれは私たちから見た一方的な見方です。患者様からすれば「どうして気持ちをわかってくれないの?」という気持ちなんです。ですから、さまざまな方法でアプローチしています。言葉でわかっていただけないなら少しずつ筆談したり、絵に描いてみたり、それでもだめなら、先輩や同僚・病棟の看護師さんに相談してアドバイスを受けたりしています。
就職した当初は自分の未熟さに落ち込むこともありましたが、こうした経験を通じて心を強くしていただいたと思っています(笑)。

Q6.言語聴覚士という仕事を知ったきっかけは何ですか?

 リハビリテーションの中でも、特に言語聴覚士は聞き慣れない職種です。私自身この仕事を知ったのは、高校時代に先生の紹介で参加した「リハビリテーションカレッジ島根」のオープンキャンパスの時でした。話すことは好きだし、生きるうえで大切なこと、それをサポートできることに魅力を感じました。

Q7.「リハビリテーションカレッジ島根」に進学して良かったことは何ですか?

 リハビリテーションの勉強は技術的なことだけでなく医学や人体の知識も学びます。これが結構大変で、1年生の頃から泣いていました(笑)。でも、一度決めたことだし、何より先生や仲間、そして家族の励ましがあったから4年間続けることができました。
勉強が苦手だった私に合った勉強方法を考えてくださった先生方や問題の出し合いなどをしながら切磋琢磨した仲間と過ごした時間が、今では大切な思い出です。おかげで「あきらめの悪さ」が身に付きました。

Q8.後輩たちにメッセージをお願いします。

 学生自治会のメンバーとして学園祭に携わったことで、準備から当日まで、先生・学生・地域の皆様と密接に関わることができました。夜明けまで友人たちとアパートで語り合ったり、バカ騒ぎをしたり、苦しみも楽しみも分かち合うことができました。
学生のうちに仲間とたくさん悩んだり遊んだりして、充実した学生生活を過ごしてください。こうした経験の中でこそコミュニケーションスキルが身に付くと思いますし、私自身、現在の職場での職員間の連携にも大いに役立っています。

2017.05.01

福島 亮さん

◆理学療法学科2015年卒(石見智翠館高校出身)

◆勤務先
社会福祉法人 島根整肢学園 西部島根医療福祉センター
リハビリテーション技術科 理学療法士

Q1.現在のお仕事の内容について教えてください。

 私の勤務する西部島根医療福祉センターは、一般の方が利用される病院と、障害児や障害者の方が心身機能の維持・向上をめざす施設が併設された複合施設です。
私は理学療法士として、ドクターをはじめ看護師・作業療法士・介護スタッフなどと連携しながら、主に病棟の小児疾患、呼吸器疾患の患者様への理学療法を行っています。

Q2.リハビリテーションを行うにあたり、心がけていることはどんなことですか?

 「気づき」を大切にしています。これは、リハビリテーションカレッジ島根で担任の先生から教わった言葉です。
リハビリテーションには「患者様の変化に気づく」観察力と視野の広さが必要だという教えを今も実践しています。特に、小さなお子様は十分に会話をすることができません。だからこそ、ちょっとした表情やしぐさ・動きを注意深く見ることで、「今日は調子がいいな」「少し疲れて集中力がなくなっているな」と状況を判断し、別のことをしたり、休憩したり、リハビリテーションも工夫することができます。

Q3.いろいろな工夫が成果につながっていますか?

 リハビリテーションをしたからと言って、「必ずできるようになる」「ここまで回復できる」と断言することはできません。工夫したことも同様に、はっきり成果として現れるとは限りません。
しかし、一番大変な思いをしているのは患者様です。あきらめずに、一歩一歩、分らない時には助けてくださる先輩の療法士もたくさんいますし、ドクターや看護師とも相談しながら前に進めていこうと思っています。
以前、患者様が不機嫌になられた理由がわからないことがありました。上司に相談したところ、寝ているポジショニングを崩されたことが原因だとわかりました。落ち着いていただくために胸を軽くたたいてあげるといいとのアドバイスもいただきました。
一つひとつの積み重ねを通して、「変化に気づき、何か言われる前に手を差し伸べられる」理学療法士になりたいですね。

Q4.成果がはっきりとは分りにくい中で、どんな時にやりがいを感じますか?

 「ありがとう」の言葉、と言いたいところですが、実際にこの言葉を聞ける機会はそんなに多くありません。感謝されていないのではなく、言葉にならないだけで、それは笑顔だったり、ちょっとしたしぐさの変化だったり、言葉ではないところで感じることができます。「気づき」の中にヒントがあり、最終的に患者様が笑顔になられた時が、自分のリハビリテーションに納得でき、やりがいを感じられる瞬間です。

Q5.勤務形態はどんな感じですか?

 勤務は月曜日から金曜日までで、9時始業、17時15分終業です。週末は特別なことがない限りお休みです。時間があれば大好きな温泉に出かけています。勤務中は、患者様のことやリハビリのメニューなどを考えることが多いので、休日は思い切りくつろいでいます。職場のスタッフが集まってスポーツを楽しんでいるようなので、今度参加してみようと思っています。普段からのコミュニケーションがスムーズな業務遂行につながると思います。

Q6.リハビリテーションの世界に進んだきっかけは何ですか?

 高校時代は硬式野球をしていたので、高校2年生までは野球のことで頭の中はいっぱいでしたね。でも3年生の時、ケガをして試合に出場できないまま1年が終わってしまいました。病院でお会いしたのが、リハビリテーションカレッジ島根の中牟田先生でした。私に「気づき」について教えてくださった先生です。今思えば、まさに運命的な出会いでした。

Q7.目標を見つけて進学してからはいかがでしたか?

 医療系の勉強は学ぶ範囲が広いんです。実際に甘く見ていたところもあり、気が抜けませんでしたが、学校の周りに遊ぶところが少ない(笑)ことで、勉強にうまく集中できました。
入学後は野球を再開し、2年生と3年生の時に全国3位を経験しました。勉強にも部活動にも全力で向かうことができたのは、苦楽を共にした友人や先生方のおかげです。

Q8.一人ではないことが安心感になって頑張る力になったのですか?

 頑張ることは自分でしかできませんが、悩んだ時にそれを乗り越える力になるのは人の言葉や行動だったりします。私自身も、特に国家試験の勉強の際には力をもらいました。
何も知らずに飛び込んだ分野で、4年間あきらめず、目標を達成できたのは、リハビリテーションカレッジ島根の環境のおかげだと思います。
私の話ではありませんが、学校をやめそうになっていた友人の変化に先生が気づき、先生の説得でその友人は卒業することができました。もちろん国家試験にも合格しました。先生から声をかけてくださり、学生のことをよく理解してくださっていたことは、とても安心できることでした。いつでも相談していいんだなと思いました。

Q9.社会人になるまでにしておいた方が良いと思うことは何ですか?

 私は入学当初からアルバイトをしました。コンビニをはじめ、地元の小学校で放課後の非常勤、実家で漁師の手伝い、3年間続けた引越しスタッフなどです。サービス業というか、人と接する仕事に関わることで、何を求められているか、何をすべきかを自分で判断できる力が養えたと思います。在学中にこれをやるべきということはありませんが、積極的に人と関わることは将来リハビリテーションの仕事をするうえで必ず役立つと思います。あとはすべての基礎となる「勉強」をしっかり頑張ってください。

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