卒業生インタビュー

2017.05.01

白井 梨櫻さん

_Z2A1327編集済

◆言語聴覚学科2012年卒(湯来南高校出身)

◆勤務先
医療法人和同会 広島グリーンヒル病院
リハビリテーション科 言語聴覚士

Q1.言語聴覚士ってどんな仕事ですか?

 リハビリテーションは大きく分けて、身体の機能向上を目指す「理学療法士」、日常動作の回復を目指す「作業療法士」、話すこと・食べることの機能回復を目指す「言語聴覚士」が担っています。
私は「言語聴覚士」として、言葉を認識して声に出すための訓練や食事をする時の筋肉の動かし方の指導をしています。また、脳梗塞や脳卒中の後遺症で、口や喉をうまく動かすことができない構音障害や見た物が認識できても言葉にできない失語症をお持ちの患者様の機能回復と維持を担っています。

Q2.具体的にはどんな指導をするのですか?

 失語症の患者様に対しては、カードに書かれた内容を患者様が読み、目の前に並べられた物の中から選んで持つといった訓練をしています。程度にもよりますが、文章が少し複雑になると理解することが難しくなってきます。
例えば「歯ブラシと鉛筆を持ってください。」という比較的簡単なことは理解し実行できても、「歯ブラシと鉛筆を左手に持って、右手で消しゴムを持ってください。」と複雑になると理解できなくなってしまいます。個人差が大きいので、指導前の検査に基づいてプログラムを作り、患者様に合った訓練を行っています。

Q3.機能的な障害についてはどのような指導をしますか?

 例えば嚥下(えんげ)障害という、「飲み込む動作」が困難になる機能的な障害があります。患者様の多くは「生きているうちは、自分の口から食べたい」とおっしゃいます。栄養を取ることだけ考えれば、流動食で対応できますが、料理を自分で食べて味わっていただけるように、飲み込みに必要な筋肉の運動訓練をしたり、飲み込む時の首の角度を調整したりしています。以前できていたことができないつらさを身近で見ていると、何とかしてあげたいという気持ちになります。ですから、障害の部分だけでなく、患者様のライフスタイルまで考えて指導するように心がけています。

Q4.どんな時にやりがいを感じますか?

 言語障害といっても、機能的な障害なのか、脳障害に関連するのか、またそれぞれの障害の程度も異なりますから、患者様に合った訓練プログラムや、コミュニケーション方法を見出すことから始まります。しかし、患者様の中にはリハビリテーションに対して否定的な方もいらっしゃいます。必ず回復するとは言いきれませんから、好きなことを指導の中に入れるなど少しでもやる気が出るように工夫しています。
例えば、運動をしたり、プチトマトの観察日記をつけたり、「訓練ではなく、楽しんでいただく」ことを大切に指導にあたっています。
先日のことですが、私が担当している患者様の病棟の看護師さんから「患者様の発語が増え、コミュニケーションが取りやすくなった」と意見をいただきました。最初は嫌がっていた方ですが、自分の仕事が患者様のお役に立っていると実感でき、とてもやりがいを感じました。

Q5.指導の際にどんなことに気を付けていますか?

 言語聴覚に障害をお持ちの方はコミュニケーションを取ることが難しい面があります。でもそれは私たちから見た一方的な見方です。患者様からすれば「どうして気持ちをわかってくれないの?」という気持ちなんです。ですから、さまざまな方法でアプローチしています。言葉でわかっていただけないなら少しずつ筆談したり、絵に描いてみたり、それでもだめなら、先輩や同僚・病棟の看護師さんに相談してアドバイスを受けたりしています。
就職した当初は自分の未熟さに落ち込むこともありましたが、こうした経験を通じて心を強くしていただいたと思っています(笑)。

Q6.言語聴覚士という仕事を知ったきっかけは何ですか?

 リハビリテーションの中でも、特に言語聴覚士は聞き慣れない職種です。私自身この仕事を知ったのは、高校時代に先生の紹介で参加した「リハビリテーションカレッジ島根」のオープンキャンパスの時でした。話すことは好きだし、生きるうえで大切なこと、それをサポートできることに魅力を感じました。

Q7.「リハビリテーションカレッジ島根」に進学して良かったことは何ですか?

 リハビリテーションの勉強は技術的なことだけでなく医学や人体の知識も学びます。これが結構大変で、1年生の頃から泣いていました(笑)。でも、一度決めたことだし、何より先生や仲間、そして家族の励ましがあったから4年間続けることができました。
勉強が苦手だった私に合った勉強方法を考えてくださった先生方や問題の出し合いなどをしながら切磋琢磨した仲間と過ごした時間が、今では大切な思い出です。おかげで「あきらめの悪さ」が身に付きました。

Q8.後輩たちにメッセージをお願いします。

 学生自治会のメンバーとして学園祭に携わったことで、準備から当日まで、先生・学生・地域の皆様と密接に関わることができました。夜明けまで友人たちとアパートで語り合ったり、バカ騒ぎをしたり、苦しみも楽しみも分かち合うことができました。
学生のうちに仲間とたくさん悩んだり遊んだりして、充実した学生生活を過ごしてください。こうした経験の中でこそコミュニケーションスキルが身に付くと思いますし、私自身、現在の職場での職員間の連携にも大いに役立っています。

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