卒業生インタビュー

2012年卒業

2017.05.12

坂口 碧衣さん

◆理学療法学科2012年卒(県立広島商業高校出身)

◆勤務先
広島シーサイド病院
訪問看護ステーション 理学療法士

Q1.訪問リハビリテーションのお仕事について教えてください。

 リハビリテーションが必要な方の多くは、急性期に治療を行い、回復期に身体機能の回復を図ります。しかし、急性期・回復期ともにリハビリを行う機関が決まっているため、時期が来れば退院されます。退院後、自宅で生活を再開される方もいれば、介護施設に入所される方もおられます。私の担当は、自宅で生活されている方へのサポートとアドバイスですが、これが大変なんです。なぜなら、基本的に一人で訪問するため、患者様から「何でも知っている専門の人」と見られるからです。もちろん理学療法士として指導に当たりますが、健康面のことなど幅広く質問されます。なるべくその場で答えることで、患者様は安心されますし、頼れる人としての信頼度も高まります。

Q2.専門外の知識はどのようにして身につけますか?

 栄養や薬のことなど専門外のことは、栄養士さんや薬剤師さんに直接聞いたりして一通り勉強しています。しかし、訪問リハビリを担当した当初は自分の専門分野のことで精一杯でした。当然、他分野の知識がすぐに役立つわけでなく、その場で答えられないことは宿題として持ち帰りました。一日に数件を回り、夕方病院に帰ってから栄養士さんなどに教わり、次の訪問の際に患者様に伝えていました。”患者様の不安な気持ちに応えたい!”と勉強を続けるうちに知識が身に付き、今では適切なアドバイスができるようになりました。自信をもってアドバイスをすることで、患者様も安心されると思います。

Q3.訪問リハビリテーションで感じるやりがいは?

 就職して2年間は病棟での勤務でした。その後、訪問リハビリの担当となり、約3年が経ちます。病棟では患者様と一対一で向き合って訓練することが多いのですが、訪問リハビリでは患者様のご家族との接点も多くなります。それだけ患者様の環境に入り込み、一人ひとりの生活に深くかかわることになります。各患者様の生活環境に合わせた運動メニューを作りますが、ご家族にも患者様をサポートするためのアドバイスを行います。専門外のことにもしっかりと耳を傾け、いろいろな情報をもとに患者様に合った訓練を考えます。それだけ患者様への思い入れも強くなります。訓練の結果、患者様が少しでも快適な生活を送れるようになってくださることが一番のやりがいです。

Q4.仕事をする上で最も大切にしていることは何ですか?

 当然のことですが、やはり「信頼関係」です。患者様との信頼関係を築くためにどこまでできるか、リハビリテーションの専門職として関わっているのでいい加減なことはできません。私のひと言が患者様の生活や人生にもつながっていきますから、患者様とは常に真剣に向き合うようにしています。その中で自然に生まれてくるお互いへの「思い」が信頼関係につながると考えています。

Q5.患者様の思いに応えるために取り組んでいることは?

 一つは、リハビリテーションのスタッフで行うミーティングです。日々の報告はもちろんですが、お互いの悩みを共有し、みんなで課題について話し合い、解決方法を考えます。経験豊富な先輩が現場のことやスタッフ同士の連携についてアドバイスしてくれます。自分の担当外のことも知識として吸収できるので、いざという時の対応が柔軟になります。二つ目は、自分自身を高めることです。学生時代の教科書を見直したり、外部で行われる勉強会に出席したりしています。

Q6.今でも学生時代の同級生や先生とつながっていますか?

 仕事が忙しいので頻繁に会うということはないですが、たまには同級生とも会っています。私の勤務する広島シーサイド病院にはリハビリテーションカレッジ島根の卒業生がたくさん勤務しており、空き時間などに話す機会もありますし、相談しあったりもしています。先輩・後輩・同級生のなかが良いのはリハビリテーションカレッジ島根の特長でもあると思います。悩んでいたら友人や先生方がアドバイスをしてくれる、それが自然にできる環境なんです。お互いを思いやる気持ちが自然に身についているのだと思います。

Q7.これからリハビリテーション分野をめざす高校生にひと言

 ”患者様がよりよい生活を送れるように関わっていきたい”ということが私のずっと変わらない気持ちです。そのためにスキルアップは欠かせないので、その一つとして「呼吸療法認定士」や「ケアマネージャー」の勉強もしています。勉強は学生時代から得意ではありませんでしたが、苦手科目を克服してきた経験を生かして頑張っています(笑) これから理学療法士や作業療法士・言語聴覚士をめざす皆さんにも国家試験に合格するという大きな目標がありますが、先生や周りの友人と協力すれば必ず乗り越えることができます。諦めずに目標に向かって突き進んでください。

2017.05.01

白井 梨櫻さん

_Z2A1327編集済

◆言語聴覚学科2012年卒(湯来南高校出身)

◆勤務先
医療法人和同会 広島グリーンヒル病院
リハビリテーション科 言語聴覚士

Q1.言語聴覚士ってどんな仕事ですか?

 リハビリテーションは大きく分けて、身体の機能向上を目指す「理学療法士」、日常動作の回復を目指す「作業療法士」、話すこと・食べることの機能回復を目指す「言語聴覚士」が担っています。
私は「言語聴覚士」として、言葉を認識して声に出すための訓練や食事をする時の筋肉の動かし方の指導をしています。また、脳梗塞や脳卒中の後遺症で、口や喉をうまく動かすことができない構音障害や見た物が認識できても言葉にできない失語症をお持ちの患者様の機能回復と維持を担っています。

Q2.具体的にはどんな指導をするのですか?

 失語症の患者様に対しては、カードに書かれた内容を患者様が読み、目の前に並べられた物の中から選んで持つといった訓練をしています。程度にもよりますが、文章が少し複雑になると理解することが難しくなってきます。
例えば「歯ブラシと鉛筆を持ってください。」という比較的簡単なことは理解し実行できても、「歯ブラシと鉛筆を左手に持って、右手で消しゴムを持ってください。」と複雑になると理解できなくなってしまいます。個人差が大きいので、指導前の検査に基づいてプログラムを作り、患者様に合った訓練を行っています。

Q3.機能的な障害についてはどのような指導をしますか?

 例えば嚥下(えんげ)障害という、「飲み込む動作」が困難になる機能的な障害があります。患者様の多くは「生きているうちは、自分の口から食べたい」とおっしゃいます。栄養を取ることだけ考えれば、流動食で対応できますが、料理を自分で食べて味わっていただけるように、飲み込みに必要な筋肉の運動訓練をしたり、飲み込む時の首の角度を調整したりしています。以前できていたことができないつらさを身近で見ていると、何とかしてあげたいという気持ちになります。ですから、障害の部分だけでなく、患者様のライフスタイルまで考えて指導するように心がけています。

Q4.どんな時にやりがいを感じますか?

 言語障害といっても、機能的な障害なのか、脳障害に関連するのか、またそれぞれの障害の程度も異なりますから、患者様に合った訓練プログラムや、コミュニケーション方法を見出すことから始まります。しかし、患者様の中にはリハビリテーションに対して否定的な方もいらっしゃいます。必ず回復するとは言いきれませんから、好きなことを指導の中に入れるなど少しでもやる気が出るように工夫しています。
例えば、運動をしたり、プチトマトの観察日記をつけたり、「訓練ではなく、楽しんでいただく」ことを大切に指導にあたっています。
先日のことですが、私が担当している患者様の病棟の看護師さんから「患者様の発語が増え、コミュニケーションが取りやすくなった」と意見をいただきました。最初は嫌がっていた方ですが、自分の仕事が患者様のお役に立っていると実感でき、とてもやりがいを感じました。

Q5.指導の際にどんなことに気を付けていますか?

 言語聴覚に障害をお持ちの方はコミュニケーションを取ることが難しい面があります。でもそれは私たちから見た一方的な見方です。患者様からすれば「どうして気持ちをわかってくれないの?」という気持ちなんです。ですから、さまざまな方法でアプローチしています。言葉でわかっていただけないなら少しずつ筆談したり、絵に描いてみたり、それでもだめなら、先輩や同僚・病棟の看護師さんに相談してアドバイスを受けたりしています。
就職した当初は自分の未熟さに落ち込むこともありましたが、こうした経験を通じて心を強くしていただいたと思っています(笑)。

Q6.言語聴覚士という仕事を知ったきっかけは何ですか?

 リハビリテーションの中でも、特に言語聴覚士は聞き慣れない職種です。私自身この仕事を知ったのは、高校時代に先生の紹介で参加した「リハビリテーションカレッジ島根」のオープンキャンパスの時でした。話すことは好きだし、生きるうえで大切なこと、それをサポートできることに魅力を感じました。

Q7.「リハビリテーションカレッジ島根」に進学して良かったことは何ですか?

 リハビリテーションの勉強は技術的なことだけでなく医学や人体の知識も学びます。これが結構大変で、1年生の頃から泣いていました(笑)。でも、一度決めたことだし、何より先生や仲間、そして家族の励ましがあったから4年間続けることができました。
勉強が苦手だった私に合った勉強方法を考えてくださった先生方や問題の出し合いなどをしながら切磋琢磨した仲間と過ごした時間が、今では大切な思い出です。おかげで「あきらめの悪さ」が身に付きました。

Q8.後輩たちにメッセージをお願いします。

 学生自治会のメンバーとして学園祭に携わったことで、準備から当日まで、先生・学生・地域の皆様と密接に関わることができました。夜明けまで友人たちとアパートで語り合ったり、バカ騒ぎをしたり、苦しみも楽しみも分かち合うことができました。
学生のうちに仲間とたくさん悩んだり遊んだりして、充実した学生生活を過ごしてください。こうした経験の中でこそコミュニケーションスキルが身に付くと思いますし、私自身、現在の職場での職員間の連携にも大いに役立っています。

Copyright (C) リハビリテーションカレッジ島根 All Rights Reserved.