卒業生インタビュー

2013年卒業

2017.05.01

山下 和樹さん

◆理学療法学科2008年卒(広陵高校出身)

◆勤務先
医療法人社団 明和会 大野浦病院
リハビリテーション部 理学療法士

Q1.現在の仕事内容について教えてください。

 急性期病院での治療を終え、継続して身体能力の改善が必要な方のリハビリテーションを担当しています。前の病院での取り組みもある程度はわかりますが、まずは患者様の”今”の状態を確認します。例えば、筋力はどの程度残っているか、関節はどのくらい動かすことができるかなど、主に触診によって評価していきます。患者様と関わる時間は限られています。だからこそ、その時にできる最善の訓練や指導をしていきたいですね。そして、チームアプローチによって総合的に患者様を支えることが大切。そのためには、知識・技術はもとより色々な方との接し方も身につける必要があります。患者様が退院される直前まで、身体能力を上げられるように、日々取り組んでいます。

Q2.信頼されている実感はありますか?

 入院される方は比較的年齢が高く、中には認知症を患っていらっしゃる方もいらっしゃいます。すぐにコミュニケーションがとれるわけではありませんが、ちょっとしたことにも傾聴することで少しずつ積み上げていくようにしています。その中で、表情が柔らかくなったり、会話が増えてきたりしたときに信頼していただけるようになったかなと感じますね。また、退院した患者様が自分のことを覚えていてくださって、わざわざ来てくださることもあります。このような瞬間、信頼されているのかなと実感することができます。

Q3.前向きな方ばかりではないと思いますが、どう対処されていますか?

 もちろん、訓練を拒否される方もいらっしゃいます。でも、諦めることはできませんから、どうしたら患者様との心の距離を縮めることができるかを考えながら取り組みます。例えば、声かけひとつでも、わかりやすく伝えることを意識しながら取り組んでいます。大きな声でゆっくり話すことは当然ですが、わかりやすいというのは、これからどんな訓練をするかを明確に伝えることなんです。「3日後に車椅子から杖に変えますね」「だから立ち上がるための訓練をしますよ」というふうに目的をはっきり伝えます。身近な目標があることで、次第に自分から取り組むようになっていただけます。

Q4.理学療法士として常に心がけていることはありますか?

 リハビリテーションを必要として患者様は来院されます。でも、私たち理学療法士だけで患者様を改善へと導くわけではありません。健康面や医療面を診るドクター、日常のお世話をする看護師や介護スタッフ、もちろん同じ理学療法士や作業療法士も連携して改善への道を作っていくんです。そのために自分が何を行うべきか、どんな情報を他のスタッフに伝えるべきかを理解することも大切です。こうしたチームアプローチを行うにあたり、月1回のカンファレンスや、時間のある時にはスタッフ同士が自主的にミーティングをするなどして、日頃から情報交換をしています。

Q5.この仕事で難しいところはどんなところですか?

 患者様の訓練は、長ければ3ヶ月のプログラムを計画しますが、これはプログラムの中でも最長で、症状も複雑であったり重度であったりします。こうした患者様の場合、症状が改善する時期もそれぞれ異なりますし、「できた」といえる状態を判断することが難しくなります。また訓練の時に「できた」からといって、常に「できる」状態かどうかは分りません。健常者でもちょっとしたことで転んでケガをしますが、患者様の場合はちょっとしたケガでは済みません。それだけ判断をする責任があり、難しいところだと思います。

Q6.この仕事に必要なものは何だと思いますか?

 「積極性」だと思います。いろいろな経験をする中でたくさんの疑問にもぶつかります。そんな時、なんとなく過ごしてしまっては自分のためになりませんし、関わる患者様のためにもなりません。学生時代に実習で学んだ症状とは異なった症状の患者様が入院されました。単に骨折後のリハビリテーションと言っても、教科書と骨折箇所が異なるだけでもどうしていいかわからなくなります。でも、そんな時こそチャンスです。わからないなりに自分の考えを伝え、先輩に意見を求めることで、一つの経験を通して多くのことを学ぶことができます。

Q7.学生時代に力を入れておいたほうがいいことはありますか?

 学校周辺は自然に囲まれて、言ってみれば勉強する以外ない!という環境です(笑) 。でもこれが良かったんです。月並みですが、勉強に集中できますし、自然に同級生や先輩、先生方と関わっていけます。関わっていくといろいろなことが起こりますが、真剣に人と向き合うきっかけにもなるんです。就職してから上司や先輩・患者様と接するうえで必要な人間性が身に付いたと思います。勉強面では、「運動学」はしっかり勉強しておいたほうがいいですよ。臨床に出てから活かせる内容が凝縮されています。

Q8.将来の目標について教えてください。

 就職したばかりの頃は、先輩の理学療法士がつきっきりで指導してくださいました。患者様の人生に関わる仕事ですから、当然先輩の指導も厳しい時がありましたが、だからこそ今の自分があります。今は新人を指導する立場になりました。早く一人前の理学療法士として歩んでもらえるように、自分の経験を伝え、頼れる先輩として自分自身のスキルアップもめざしていきたいと思います。

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