卒業生インタビュー

2011年卒業

2017.05.12

尾中 竜輝さん

◆理学療法学科2011年卒(広島県立廿日市西高校出身)

◆勤務先
西広島リハビリテーション病院
リハビリテーション部 理学療法士 


Q1.ケガで将来の進路を変更したと伺いましたが?

 子どもの頃からずっと野球少年で、将来は野球選手になりたいと考えていました(笑) 高校時代もレギュラーで、特に進路は意識していませんでしたが、2年生の時に肩を壊してしまい、そのままレギュラーに復帰できず、具体的に進路を考えるようになりました。そんな時、リハビリテーションを受けていた先生と話をする中で、なんとなく医療の分野に関心を持つようになり、今考えると、それがきっかけだったかなと思います。

Q2.現在の理学療法士としての仕事を教えてください。

 西広島リハビリテーション病院は、回復期病院、つまり脳卒中を発症された方や関節などの手術を受けた方の回復を担う病院です。私は理学療法士として、こうした方の症状の回復と自宅復帰をサポートしています。疾患の種類によって入院期間が60日・90日・150日と決まっており、限られた期間内に自宅での生活が可能な状態になるように訓練を行います。訓練のプログラムは担当する理学療法士が作成しますが、疾患の種類や程度を考慮して一人ひとりに合ったものを考えます。そして、もう一つ重要なことは「退院後は自宅で生活をする」という視点を持つこと。リハビリテーションは単に体の機能を回復させるのではなく、実生活に必要な動作ができるようにしなくてはなりません。そのために自宅に伺い、どんな動作が必要かをチェックするのも理学療法士の仕事です。

Q3.リハビリテーションで大切なのは「心」のケアと伺いましたが?

 「できていたこと」が「できなくなる」ことは本当につらいことです。そして、リハビリテーションでは「できないこと」を訓練することが多い。だから患者様もつらいという思いが強くなっています。つらくても本当の気持ちを私たち理学療法士をはじめ、スタッフに言えない方も多くおられます。ですから、訓練をするときは疾患を見るだけではなく、患者様の気持ちに寄り添うことを大切にしています。

Q4.記憶に残っている患者様はいますか?

 脳卒中を発症された後、重度の片マヒ(身体の半分がマヒした状態)になられた患者様ですね。ベッドでの生活が長く手足がほとんど動かない方でした。失語症も併発されていてコミュニケーションをとることも難しく、患者様ご本人も苦しい思いをされていたと思います。入院期間中にどこまでできるか不安がありましたが、患者様には気づかれないよう「できること」を一つ一つ増やしていきました。私の指導に対するリアクションやちょっとした表情の変化を見落とさないようにして、体や気持ちの状態に合わせて患者様と一緒に訓練を続けました。現在は自宅復帰し、ご夫婦で暮らしておられます。諦めずに着実な一歩を積み重ねることで、患者様のより良い人生に役立ったのではないかと感じています。

Q5.西広島リハビリテーション病院では機器や装具が充実していますね。

 特に歩行訓練に使用する設備が自慢です。一つはロボットを応用したもので、本田技研研究所と本院が共同で研究した「HONDA歩行アシスト」による歩行訓練。最新技術による充実した訓練を提供することで、今まで以上に患者様のお役に立てる理学療法が可能になると思います。また、足の装具も充実しています。足首など関節の動きをサポートするもので、これも歩く動作を補助します。数十種類あり、患者様の足の動きや大きさに合わせて最適なものを選びます。これからも経験を積んでいき、多くの患者様のお手伝いをしていきたいです。

Q6.患者様に寄り添う尾中さんの理学療法士としての原点は何ですか。

 やはりリハビリテーションカレッジ島根での経験です。私自身がリハビリテーションによってケガから回復し、リハビリテーションカレッジ島根で好きな野球を続けることができ、全国制覇も体験しました。また、先生方の温かい指導、同じ目標に向かって学んできた仲間からの「おまえならできる!」という励ましの言葉など、理学療法士として患者様と向き合う姿勢を養うことができました。

Q7.最後に、リハビリテーションの仕事をめざす人たちにエールをお願いします。

 リハビリテーションカレッジ島根の4年間で学ぶことは、就職してからの基礎がギュッと凝縮されています。知識や技術だけではない部分、特に先生方や仲間たち、そして地域の皆様と触れ合う時間も大切にしてください。リハビリテーションは人と向き合うことから始まります。そのうえで知識や技術が生かされます。人に感謝される素晴らしい仕事です。一緒に働ける日を楽しみにしています。

2017.05.11

安清 希歩美さん

◆理学療法学科2011年卒(広島県立可部高校出身)

◆勤務先
医療法人 メディカルパーク 野村病院
リハビリテーション科 理学療法士

Q1.よく聞く「ケアミックス」とは何ですか?

 私の勤める野村病院は、一般病棟と療養を併設するケアミックスを実践しています。わかりにくいと思いますが、治療して状態が安定すると、一般的にはその後のケアは別の病院(回復サポートを主とする病院)に移ります。ケアミックスでは両方をサポートできるため、転院せずに治療に専念できます。そのため、早くから患者様と関わることができ、一人ひとりの状態が把握しやすく、より深く患者様に向き合ったリハビリテーションを提供できます。

Q2.深く向き合うことのメリットについて教えてください。

 私は理学療法士としてリハビリテーションに携わっています。リハビリテーションの最終目標は、患者様が住み慣れた自宅に戻り、今までのように生活できること。そのためには、入院してからの状態と退院後に目指す生活を把握する必要があります。リハビリテーションでは、その二つの差をできるだけ小さくするための訓練を行います。たとえば自宅が二階建てで、階段をよく使う方であれば、階段を安全に上り下りできるように訓練する必要があります。生活は動作の連続なので、何ができて何ができないのか、どこまでならできるのかを的確に評価しなければ、患者様一人ひとりに合ったプログラムは作れません。患者様自身も訓練を通して、少しでも回復することを望んでおあらrますし、回復を実感することで喜びやその後の意欲にもつながります。

Q3.リハビリテーションで心がけていることは?

 医療分野に関わっていると、どうしても病気や障害に目が行きがちになります。リハビリテーションであれば身体機能を回復させることになりますが、それだけではだめだと考えています。もし自分の家族だったら、大切な人だったら、機械的なケアをされてもうれしくないですよね。だから、患者様は皆さん家族だと考えて接するようにしています。身近な話題で笑ったり、お互いの報告をしたり、自然と深く向き合えるようになって、「実はこんなことがしたい」という本心も話してくださるようになります。目標が分かれば二人三脚、家族の方を合わせれば三人四脚で、力を合わせて向かっていけると思います。

Q4.目標は必ず達成できるのですか?

 「はい」と言いたいところですが、実際はリハビリテーションをしたから必ず以前のように回復するというものではありません。一人ひとりの障害の程度や体力・筋力・気持にも大きく左右されるので、一つの方法だけでなくいろいろなアプローチをしていきます。少しでも回復が見られると「できたね」と声掛けをしたり、先輩に聞いて今まで取り組んでいなかったプログラムを行ってみることもあります。リハビリテーションが行える期間も決まっているので、退院までに回復が見込めないときは、訪問リハビリなどのサービスの利用や自宅に手すりを付けることのアドバイスなどもしています。

Q5.安清さんの思いやりの深さはどのように身に付けましたか?

 私自身、人が好きということもありますが、最も影響を受けたのはリハビリテーションカレッジ島根で過ごした4年間だと思います。先生にしても同級生や先輩にしても、悩みや不安などをお互い自分のことのように考えてくれるんです。思いやることで真剣に向き合い、アドバイスしたり、時には厳しく指摘し合ったり。だから自然に自分のスタイルとして身に付いたのだと思います。また、国家試験のことで先生に相談すると、私が分らないところを理解しておられて、分りやすく説明してくださったり、個人面談の際には勉強のことはもちろん私生活のことも相談に乗ってくださったり(笑)、患者様と会話するという姿勢が身に着いたのは先生方のおかげかもしれません。

Q6.この仕事のやりがいや楽しさは何ですか?

 担当する患者様一人ひとりに合ったリハビリを提供し、患者様が回復を実感されたときですね。家族同様の患者様が元気になられる姿を見ることは本当にうれしいですし、どんな時も手を取り合ってきたからこそ感じられることだと思います。喜びを身近で共有できる仕事なんて本当に素敵だと思います。

Q7.リハビリテーションカレッジ島根の良さを教えてください。

 オープンキャンパスですぐに感じたことは先生方や先輩方の雰囲気の良さ。実際に勉強している姿がとても楽しそうで、皆さん輝いて見えました。こんな雰囲気の学校なら通いたい、こんなに輝いてみたいと感じました。学校の周囲には遊ぶ場所は少ないですが、だからこそ、休日はもちろん講義の合間や放課後など友人と過ごす時間は長く、友人との絆も深くなりました。また、卒業してから実感するのは実習が充実していること。いろいろな実習先でリハビリテーションカレッジ島根の卒業生が活躍していて、実習中も相談しやすく安心だったこと。今は実習生を受け入れる立場なので、私が感じた安心を後輩たちに届けたいですね。そして、いつか同じ場所で、同じ目標に向かって頑張れたらすてきだなと思います。

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